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木村化工機株式会社 エンジニアリング事業部営業部

ハイブリッド型MVR式アンモニア回収装置

2022年に、当社はMVR式アンモニア回収装置にヒートポンプを導入した、ハイブリッド型MVR式アンモニア回収装置を開発し、販売開始しました。当社の省エネ装置の中で最高の省エネ性能となる、当社最上位モデルです。

半導体製造工場で排出される大量のアンモニア含有排水から、ボイラー蒸気を使用せず電力のみで省エネルギーでアンモニアを回収できる装置です。MVR式アンモニア回収装置にヒートポンプを導入することで、全体のエネルギー消費量を大幅に削減することに成功しました。

●仕様

装置型式 : ハイブリッド型MVR式アンモニア回収装置(特許出願中)
ヒートポンプとMVRとを融合させたハイブリッドタイプです。
標準処理量: 10t/hr~100t/hr(アンモニア排水濃度により変わります)

採用したヒートポンプは、従来型のヒートポンプ式アンモニア回収装置に採用しているヒートポンプと同じ機種である『HEM-HR95-GN』です。当社とコベルコ・コンプレッサ株式会社が共同開発した、高温・高加熱COP汎用ヒートポンプ『HEM-HR95-GN』(2019年9月9日発表)は、50~75℃の熱源水から95℃の高温水を最高 加熱COP 7.5で回収することが可能である高性能モデルです。

図1:ハイブリッド型MVR式アンモニア回収装置

図2:ハイブリッド型MVR式アンモニア回収装置イメージ図

従来型MVR式アンモニア回収装置とのランニングコスト比較

下記の条件で従来型MVR式アンモニア回収装置とのランニングコストを比較すると、従来型MVR式の約半分のランニングコストに抑えられます。

項目 従来型MVR式 ハイブリッド型MVR式アンモニア回収装置
蒸気量 kg/hr 1,150 0
電力量 kWh 700 612
蒸気コスト 千円/年 46,000 0
電気コスト 千円/年 72,800 63,647
合計コスト 千円/年 118,800 63,647

表1:弊社従来方式とのランニングコスト比較

条件

  • 処理量:50t/hr(アンモニア濃度1wt% 8,000hr/年)
  • 用役単価:蒸気 5,000円/t 電力 13円/kWh
  • (加熱に必要な用役費であり、ポンプ等補機を含んでいません)

能力表

供給液に含有するアンモニア濃度が低いほどCOPが高くなります。

供給NH3濃度 wt% 0.15 0.30 0.50 0.70 1.00 1.30 1.50
電力量 kWh 368.3 416.7 477.4 532.1 612.0 687.6 736.8
加熱COP(HP) 4.0 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.6
加熱COP(MVR) 18.4 15.4 12.9 11.4 9.6 8.3 7.7
加熱COP(Total) 9.7 9.2 8.5 7.8 6.9 6.3 5.9
ランニングコスト 千円/年 38,306 43,335 49,651 55,338 63,650 71,507 76,628

表2:アンモニア濃度とCOPの比較

条件

  • 処理量:50t/hr(8,000hr/年)
  • 用役単価:電力 13円/kWh
  • (加熱に必要な用役費であり、ポンプ等補機を含んでいません)

スケール対策について

蒸留塔は、規則充填物のほか、シーブトレイ、バブルキャプ式にも対応します。プロセス液にスケール性がある場合は、加熱面へのスケール対策として、缶出液を再加熱させるリボイラを使用せず、ヒータを設置し軟水を加熱して蒸発させた蒸気を蒸留塔に吹き込むタイプもあります。

図3:MVR式蒸気吹込み型 ストリッピング装置

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